音作りウォームアップ

フレーズを構成する主要部分は「音そのもの」であり、「音そのもの」のつながりがフレーズとなる。アホか!当たり前やろ!とツッコまれそうですが、この当たり前のことについて今回、書いてみたいと思います。

管楽器という人間の息や唇の具合でコントロールする生楽器の魅力は、何といっても「音そのもの」であるはずですが、この一番大事なはずの「音そのもの」が意外に疎かにされてしまいますね。

レコードやプロのライブでカッコいい演奏を聴いた後は気分が高揚して、ついつい「ああ~こんな風に吹きたい」とすぐさまカッコいいフレーズばかり練習してしまいますね。パラパラパラ~っと、気分爽快ですね。ジャムセッションなどでも音がショボいのにパラパラ~と吹きたがる人多いですね(あっ、自分のことか、、、汗)

僕自身、中学校の吹奏楽部の時代に徹底してロングトーンをやりましたが、あれは本当に苦行でした。正直あんまり意味なかったかなと思えるほどツマらなかった。毎日、2時間ロングトーン。ちょっとフレーズ吹こうものなら、鬼教師のビンタが飛んでくるという恐ろしい状況でひらすら禅僧のごとくロングトーン。これで吹奏楽が嫌になりました、、、、(吹奏楽の本当の良さを理解できないままというほうが正しい)

「では、どうやって飽きずに音作りをすることができるか?」という極めて単純で深い問題にずーっと頭を悩ませていました。更なる難題は、練習できる時間と場所があまりないこと。

そこで、いろいろ試行錯誤して僕が現時点でたどり着いた30分音作りメニューを公開してみます。手がかりが掴めていない人は試しにやってみてください。

ステップ1 始めの10分 ロングトーン

一息で一音のロングトーンを満遍なく。やはり最低10分はこれが必要だと思います。水泳の前の準備体操だと思って我慢してやりましょう。これをやらないと後々「怪我」をするぐらいの意識は持ったほうがいいと思います。音が真っすぐに出ているか?楽器がmf(メゾフォルテ)ぐらいの音量で最大限に共鳴しているか?などをチェックしていきます。マインドとしては、自分がオペラ歌手になった気分で音が周りに響き渡らせるぞ!という意識を持つことかなと思います。

ステップ2 次の10分 半音でそろりと

真ん中のド♯(開放音)から半音でゆっくり上に、下に移動していきます。ゆったりとしたテンポで2拍ずつド♯→レ→レ♯→ミ ミ→レ♯→レ→ド♯ 次に、レ→レ♯→ミ→ファ ファ→ミ→レ♯→レ という具合に上に上がっていき、同じ要領で次に下に下がっていく。半音といえども音色が異なるのが生楽器の難しさ。特に、ド♯→レは鬼門ですが、この2音の音色を整えることはむちゃくちゃ大事だと思います。このステップでは、音色を整えることに集中して、苦手な音の上下を行ったり来たりするのが効果的だと考えます。

ステップ3 最後の10分 音の跳躍を加えていく

最後のステップは、一定程度の音の跳躍を付けていきます。例えば、ステップ2と同じ2拍ずつで、ド→ミ→ソ→シ→レ レ→シ→ソ→ミ→ド 次に半音上げたり、音の構成を変えてみたりしていくといいでしょう。このとき、音色、音程のバランスが一定程度保たれているかどうかを確認していきます。ここで相対的にショボいな~と感じた音(その周辺の音)について、ステップ1のロングトーンとステップ2の半音攻めで、音を均していきます。

極めて単純なウォームアップですが、効果は絶大だと思います。

30分も時間が取れないという人はそれぞれのステップを均等に短くすることでバランスを保つことが重要。5分+5分+5分でも十分意義はあります。音色の粒を揃えていくというという意識を持って試してみてください。

 

 

 



カテゴリー:practice

コメントを残す